「どっかでぶっ壊してやろうって思ってたでしょ」


「…わかんねえ」


「好きなんでしょ、その人のこと」


その言葉が胸に突き刺さる。
千雪さんに問いただされたとき、本当は言おうと思った。

でも、千雪さんを必ず兄貴は追ってくる。戻ってくる。

それが、千雪さんの幸せだと思うから、俺は…



「結局、英志は傷つきたくないだけじゃん」


食べ終わった弁当の空をポイと放り、ゴロりと寝そべった。