「こっち向けって」


頬をつかまれ、無理やり顔を上げさせられた。

もう最悪だ。
一生の汚点。

真っ赤で、泣きそうな、そんな顔。
篤志にだって見られたことない。

篤志、ごめん。
あたしは・・・



「何その顔。全然欲情しねえ」





ぶちり。

あたしの中で何かが切れた。




「あんたね・・・聞いてりゃなんなの!?言いたい放題いってさ?あんたに関係ないでしょ!!」



あたしはやつのシャツごと襟首をひっつかんだ。
これでもかってほど、罵声を浴びせたのに、

全く動じて、ない・・・




「はいはい。言いたいことは、それだけ?」