「…あっぶな」



なんで、なんで、

こんなときに現れるのよ。

あんたなんかに、会いたくなかった。



だけど、ホッとしているあたしがいたんだ。


「な、んで…」


「ビショ濡れじゃんか…」



オシャレなセットアップに身を包み、黒い傘をさし、英志くんは困惑した瞳を向けている。