あたしはいてもたってもいられなくなって、地上への階段をかけのぼった。


外に出ると、予想外に雨が降ってた。


そんなことに構わず、ただただ走った。


見なかったことにしたかった。
忘れてしまいたかった。
そしたら、また笑って篤志に会える、なんて。

涙なのか雨なのか、わからない。


心も体もグチャグチャだった。
そして、ついにあたしは何かにつまずいて、倒れそうになった。




その時、誰かの温かい手があたしの腕をグイッと引っ張った。