「おいっ」


……


急に肩を叩かれてビクッと体が跳ねる。


だって、この声は



裕太くんなんだもん。



だけど、泣いてるのがバレるから振り向く事は出来なくて、必死に涙を拭いた。


「ど、どうしたの?」


笑って振り返ったつもり。


そんなあたしを見て、一瞬切なそうな顔を浮かべる裕太くん。





「さっきのは…違「裕太ー始めるぞー」


裕太くんの言葉を遮ったキャプテンの声。

「悪い」


裕太くんはそう言うとグランドへ向かって走って行った。