私はね・・・?
アナタに伝えるために
この想いを伝えるために



時間をもらった



だけど その幸せの時間も・・・


今日で終わり。






文化祭が来週にせまる
私 清原由香は 図書委員の仕事の ポスターを書き終え 図書委員の先生でもあり 担任でもある 田村先生に 提出に行った。

「よくできているわね。 お願いがあるんだけど。 いいかしら?」
「はい。」
「今 教室で 勇樹君が 劇の背景を一人で 頑張っているから 手伝ってあげて?」


「・・・はい!」


3階の2−C組に急ぐ。


勇樹とは 由香の初恋の相手。 片思いだ。

教室に入ると 勇樹の後ろ姿がみえた。


教室に入り 勇樹と背中合わせの向きに座った。


「由香か?」
「うん。」

短い会話 由香はそれでも嬉しかった。


「勇ちゃん!」

誰かが教室に入ってきた。 尾道若葉 だ。

「どした?」
「アタシもやってイイ?」
「あたりめーだろ」
「やった!勇ちゃん優しい」
若葉は勇樹の隣に 寄り添うように座った。


勇樹が若葉と話すたびに 胸が痛くなる。

「あの人って清原さん?」2人が 小声で話している。
「そうだけど 何?」
「どういう関係?」
「幼なじみなんだ」
「ふーん」

その時放送が鳴った。
「保健委員の人は 至急 保健室に来て下さい。」

若葉は勇樹に笑顔で手をふると 教室を出て行った。