ボーッとしていると、今朝活動休止を伝えられていたバンドの曲が、口をついて出てきた。
小さな鼻歌だったが、隣の少女が反応する。
「あなたも、そのバンド好きなの?あたしも好きなんだ〜」
そう言いながら、右耳のイヤホンを取って、私に渡してくる。
「うん。」
今の心情を知られたくないから、短い返事だけでイヤホンを受け取る。
イヤホンからは、私の好きな曲が流れてきていた。
隣の少女は、楽しそうにリズムに会わせて体を少し揺らしている。
そんな姿を見ていて、なぜか元気が出てきた。
電車は、もうすぐ目的地に着く。私はイヤホンを返し、立ち上がり、切符を取り出す。
イヤホンを貸してくれた少女も立ち上がり、切符を準備する。
同じ駅で降りるようだ。
電車が止まる。中学校で習った理科の知識が、唯一思い出される瞬間。
慣性の法則に従い、体が前方へと動く。慣れたこの法則も、習いたての頃は魔法のように感じた。
……タマが習ったら、同じように感じただろうか?それとも、いつものように首をかしげただろうか?
なぜだろうか。何でもかんでもタマに結び付いてしまう。
ふと気付くと、頬を涙が伝うのが感じられた。
小さな鼻歌だったが、隣の少女が反応する。
「あなたも、そのバンド好きなの?あたしも好きなんだ〜」
そう言いながら、右耳のイヤホンを取って、私に渡してくる。
「うん。」
今の心情を知られたくないから、短い返事だけでイヤホンを受け取る。
イヤホンからは、私の好きな曲が流れてきていた。
隣の少女は、楽しそうにリズムに会わせて体を少し揺らしている。
そんな姿を見ていて、なぜか元気が出てきた。
電車は、もうすぐ目的地に着く。私はイヤホンを返し、立ち上がり、切符を取り出す。
イヤホンを貸してくれた少女も立ち上がり、切符を準備する。
同じ駅で降りるようだ。
電車が止まる。中学校で習った理科の知識が、唯一思い出される瞬間。
慣性の法則に従い、体が前方へと動く。慣れたこの法則も、習いたての頃は魔法のように感じた。
……タマが習ったら、同じように感じただろうか?それとも、いつものように首をかしげただろうか?
なぜだろうか。何でもかんでもタマに結び付いてしまう。
ふと気付くと、頬を涙が伝うのが感じられた。