ドンドンドンドン

「王子!王子!起きてください!」


朝早くから王子の部屋を叩き王子の返事を待っている。


でも王子の部屋からは物音一つ聞こえない。



「、、、、はぁ。」


王子と何度も呼んだ男は彼の執事。


ため息を吐いたのはこれが初めてではないからだ。


彼がこの部屋に居れば必ず返事がある。


ということは、彼はこの部屋には居ない。


こんなことがありだしたのはこの屋敷に来てすぐの時からで、
もう五十年目にもなる。


こんな時の彼の居場所は一つ。