〜体育祭〜
今日は高校生活最後の体育祭。
楽しみなんだ。
実は、3日前…
「奏ちゃん。体育祭の競技何に出る?」
いきなり、体育委員の子に言われたんだけど…。
毎年、私は、体育祭には、出れないんだけど…。
今年のクラスメイトは私が喘息持ってること、ほとんどが知らないからな…。
彼方からは、ダメって言われてるし…。
でも、最後ぐらい…。
私の中で天使と悪魔が戦っていた。
走るのはダメでも、ダンスや綱引きなら、大丈夫だよ。
うん。きっと大丈夫。
私は、自分で自分を納得させた。
「えっと…ダンスか、綱引きで…」
「了解。走らない?」
「走るのはちょっと…」
「わかった。じゃあ、ダンスと綱引きお願いします」
「はーい」
体育委員との交渉が終わった。
彼方にはダメって言われてるけど…。
ダンスと綱引きぐらいいいよね。
楽しみだな。
そして、今に至るのです。
今日まで彼方には言わなかったんだけど…。
ばれてないよね…。
「本当に大丈夫なの?彼方さんに言わないで…」
亜美が言ってきた。
「大丈夫だって。最近調子良いし」
「何かあってからじゃ遅いし…」
「大丈夫だって」
亜美は心配そうにしてた。
「亜美は競技に出てもいいの?」
「私は、走る競技以外ならいいって許可もらってるよ」
「そっか」
亜美はもう、許可もらってるんだ。
私も許可をとればよかったかな?
でも、全然ダメって言われるし…。
大丈夫って思いながら、少し怖いんだよね…。