『あゆみねぇちゃん…。』
「ん?」
『ぼく……ぼくもあゆみねぇちゃんのことだいすきだよ!』
「わっ…」
最高の笑顔をしてくれたと思ったら、秀人くんは私に抱きついた。
秀人くんの言ってくれた言葉が嬉しくて嬉しくて、
自然と私も笑ってた。
「秀人くん。」
『なに?』
「ありがとね、秀人くんが言ってくれたこと、お姉ちゃんは一生忘れない。」
『ぼくも!』
「ふふっ……じゃ、行こっか。先生が待ってるよ!」
『うんっ』
秀人くんの頭を撫でて、私は秀人くんの手を取って、レントゲン室の中へ入った。
――ガララっ
「遅れまし――」
『遅い!』
レントゲン室の扉をあけると、開口1番で怒られた。
『連絡から何分経ってると思ってんだ!こっちはこの後も予約でいっぱいで遅れを取ってる場合じゃないんだ!分かってんのかね、君!?』
火山噴火のように起こっているのは、放射線科の責任者である葛西(カサイ)先生。
この人も時間に厳しい石頭の先生だ。