大人は平気で嘘をつく。
でも、子供たちは違う。
嘘ついてても、それはきっと誰かのためで、
そんな嘘も、小さいもので、子供たちの態度や笑顔を見てたらすぐ分かる。
だから信じられる。
子供たちは、自分の信頼してる人を裏切ったりなんてしないから…――。
『あゆみねぇちゃん？』
「へっ？」
秀人くんの声で我に帰る。
いけない、いけない…っ
今は仕事に集中よ、私！
「ごめんね、ちょっと考え事してて……」
『あゆみねぇちゃん、なにかこまってるの？』
心配そうな瞳で私を見つめる秀人くん。
……ほらね、
やっぱり子供は裏切らない。
「ぅんんっ！困ってなんかないよっ！お姉ちゃんね、昨日嬉しいことがあって、そのことを思い出してたの。」
『うれしいこと？』
「うんっ、お姉ちゃんね、素敵な人に出会ったの。」
『すてきなひと？』
「そう。とーっても優しくてね、心がきれいな素敵な人。」
新様の笑顔が浮かんで、自然に笑顔になっていく。
また会いたいな……。
