なのに、どうして小児科以外の科の先生方は嫌いなんだろう…?


『全く、3分遅刻よ、水川さん。』

「ふっ、婦長!」


病室にいたのは秀人君だけじゃなく、婦長もいた。


『さすがね。私は47分もかけて説得してたのに、貴方は一瞬。見習いたいくらいだわ。』

「ぁ、はは…ありがとうございます。」


疲れ顔でため息ついてる婦長は、時間に厳しくもある。


『放射線科の浅井先生には遅れてるって言ってあるから。早く行きなさい?それと、佳菜子ちゃんの注射は11時30分だから。』

「はい!さっ、行こう?秀人くん。」

『うん!』


秀人くんの手を取って、婦長にお辞儀をして病室から出る。


『かなこちゃんもいたいことするの?』


レントゲン室へと歩いていると、秀人くんが弱弱しい声で聞いてきた。


「ん?うん。でも、秀人くんは痛くないよ。」

『ほんとうに?』

「うん。それに、お姉ちゃんがついてるから大丈夫!だから頑張ろうね、秀人くん。」

『うん!』


素直な子供たちが可愛い。

私はそんな子供達から笑顔を奪っていく病気が嫌いだ。