「ぁ、あのっ!」

『!?は、はい…?』


ズィッと王子様に詰め寄る私。


「昨日、私…王子様がお風呂に行かれた後、どうしてました?」

『え?』

「その時の記憶がないんですっ…!教えてくださりませんか!」


絶対、絶っっっ対に私は王子様に迷惑かけてる自信がある。

だって、王子様の寝室に私が行くわけないもの。


『んーっとね…あの時、あ、俺が風呂から出た時ね?おねーさんは……』


それから、心優しい王子様は、あの時のことを事細かに説明してくれた。

王子様がお風呂から出た時に私はマグカップを持ったまま寝ていたこと。

重い私を抱えて、寝室まで運んでくれたこと。

全て。

王子様は話してくれた。


『――ってことなんだけど…』

「っっ本っ当にっ!申し訳ありませんでした!!」

『ぇ、ぇええっ…!?おねーさん!?』


自分のやってしまった過ちに酷く反省の意をこめて、私は王子様に床に額がつくまでに土下座した。


『おねーさんっ…そんな綺麗な土下座しても座布団とか来ないからっ…!顔上げて…?』

「いいえっ…!私は王子様を前に、何てことを…ッ!これは一生の恥でございますっ!お許しくださいっ、」

『ぇえっ…大げさだよ?おねーさん…?もう俺、許すも何も、気にしてなかったし。』

「へ…っ?」


予想外の返事に、思わず私は顔を上げた。