‐あたしの青春物語‐



「なっなんでっ?」

「お前と一緒だと絶対楽しいから。」


なんて人だろう。

そんなこと、簡単に言えてしまう人だったのか。


「しっ仕方ないわね…」

と言いつつも嬉しい私。

ニヤけてないかな?



「さぁ、みんな!なりたい委員会はあるかね?」

先生がみんなに訪ねる。



「はいはい!私っ、図書委員に立候補しますっ!」





「俺も図書委員。」

ぶっきらぼうに応える学。

こんなことにさえかっこいいと思ってしまう。





そんなこんなで私は図書委員になってしまったのだ。





「あんた良くやったわ!」

放課後、綾音が誉めてくれた。


「一緒の委員なんてラブな予感がするんじゃない?」

「ないないっ!」

とは言いつつも、

そのラブな予感を少し期待してしまう。

放課後に二人きりだよ?






が、しかし。

そんな喜びもすぐに消えてしまった。





今日は待ちにまった、

委員会初日である。


委員会とゆーか図書室のカウンターに二人でいるというもの。

「……」

「………」


会話がない…ー。
気まずい…。




そんなとき図書室の扉がゆっくり開いた。





私はその人物に目が釘付けだった。

ワックスを使ったであろう赤茶色の髪の毛にキラリと光る軟骨にあるピアス。

それに整った顔立ち。


完全に心を奪われた。

こんな人いただろうか?



「なに、」

そのひとはガン見していた私に声を漏らす。


「なっなにも…」

「あそ、」


冷たい言葉。

人を寄せ付けない感じ。


あぁ。どうしよう。

私、一目惚れしました!





「何だ、アイツ…。萌!気にすることないぞ」

「うっうん」



学といるのに…私の目は違う人物を捉える。

どうやら椅子に座ったまま寝ているようだ。

誰なんだろうか?


「てかどうして学は図書委員になりたかったの?」

このどうしようもない気持ちを消すために私は学に喋りかけた。

「一番楽そうだったからさ。てゆーかお前は?」


「へぇ?!学が誘ったんじゃんか」

学は良くわからない。


「…そーだったな…。」

良くわからないことを時々口にする。



たわいもない会話をしていると、


「うるさい、」





機嫌の悪そうな声が聞こえた。


起こしちゃったのかな?
なんて思っていると、

「さっきからなんなんだよ!」


学が叫んだ。




「聞こえないのか?うるさい、」

「あなたは誰なんですか?」


たぶん学も気になっているであろう質問を投げ掛けた。




「は、俺の名前くらい知っとけ!ばか。」

えぇぇー。

初対面の癖にばか扱いとはいい度胸だな。

こらしめてやる!


「あんたさっきから何様なんだよ!同い年のくせに上から目線で喋るなよ!」


そうだ!そうだ!
心の中で学に共感しつつも、やっぱりこの要素には勝てない。

かっこよすぎる…。





「同い年じゃないから、」


彼はそういうとダルそうに図書室を出ていった。



同い年じゃない?!
ってことは先輩?!!


私たちはなんて失礼な態度をとってしまったんだろうか。

「先輩…だったのか……」


学もビックリしている。

でも言われてみればそうだ!


あんなイケメンがいたら入学式からその話題で持ちきりのはずだ。





そしていつになくこの先輩の噂は私にも届いた。


















































南先輩。