「いたっ!」


「わりぃ!強く投げすぎた…」


「な~んちゃって♪」


《バフゥ》


「あはは♪嵐も雪だるま~!」



「このやろぉ…!!」


「ぎゃー!!」



いつの間にか、嵐と前のようにじゃれあってることに気付いたのは…

心配して探しに来た啓太と麻美さんが来てからだった。



「ぽっぽちゃ~ん!!嵐~!」



「あ…そうだ、肝だめしの途中だったっけ…」


「そうだったな…」


私と嵐は顔を見合わせて笑った。


「ほら、……歩穂…」





また呼んでくれるの?


また、前みたいに、嵐と話せる?



嵐におんぶされながら、また、涙があふれる。


足が痛いから…


名前を呼んでくれたから…


嵐の背中が暖かいから…


理由は沢山あった。