私はなぜか見つからないように息を潜めていた。 けど… 「歩穂!?」 見つかった… 「…楠さん…?」 高橋さんは明らかにマズいって顔をした。 心に不安が一気に押し寄せてくる。 「あ……私…邪魔みたいだから帰るね…?」 とにかくここから逃げ出したい… 「おい!そっちは!」 《キキィ――――――!》 「ナツキっ!!」 車に引かれそうななった私を、嵐が歩道に引っ張り戻した。 今…ナツキって… 誰? 嵐…誰の名前を呼んだの?