「ご注文は?」

「コーヒーと・・・楠木さんは?」

「私はミルクティーで」

「コーヒーとミルクティーですね。少々お待ちください」


 滝沢さんじゃない人が来て、注文を聞いて厨房の方に行く。


 浩貴と副会長はなんだか私に分からない話をしていた。

 前の会長の話だとか。


 私にはなんのことか分からないから、話に入ることが出来ずに、静かにカフェラテを飲んでいた。


 
 私の正面に、浩貴と副会長が並んで座っていて、なんだか見せつけられてる気分だった。



 ・・・あのさ、私になんかしゃべってくれないのかな。


 わざわざ私のとこ座りに来て、なんだよ。

 ちくしょう。


 なんて少し思う。

 
 本当にそうだ、このバカ。



 なんだか悔しい気持ちになって、スカートをギュっと握った。


「お待たせいたしました。コーヒーとミルクティーになります」

「あ・・・滝沢さん」

「あ、麻友ちゃん。こちらの2人は友達ー?」

「あ・・・えと・・・」

 友達じゃない。

 でも、滝沢さんから見たら、この2人がカップルに見えるだろうか。


 それはイヤ。



「彼氏と、私の学校の副会長です」

「彼氏? へぇ、そうなんだ」

 滝沢さんは、浩貴の顔をチラっと見る。


 浩貴はなんだこいつ?とでも言いたげだったけど、ニッコリと笑顔を返していた。


「麻友の彼氏の仲谷浩貴って言います」