「え・・・。浩貴?」

 声が浩貴だ。


 そう思って振り向くと、副会長と並んで立っている浩貴がいた。

 
「なんでここに?」

 そんな質問より、なんで副会長と一緒なの?って言いたい。

 でも、それを言ったら心狭い女じゃんか。


 生徒会の仕事なんだってば。


「外から・・・麻友がここにいるのが見えたから。あと、さっきまで必要なモノの買い出し行ってて・・・」

「買い出し?」

「画用紙とか、色々。3年の先輩への受験応援メッセージだとかで」

「そうなんだ・・・」

「で、どういうデザインにするとか・・・学校帰ってやるのもダルイし、休憩もかねてあったかいとこ行こうと思って」

「で、ここに来たんだ。えと、席あんま空いてないでしょ? 私どくね」

「いや、居ろよ。まだ飲んでないっぽいし」

「でも・・・迷惑になるかと・・・」


 違う。

 副会長と浩貴がなんかしてるの、あんま見たくないだけ。

 
 私も嫉妬深いらしい。


 だから、ヤダ。



「迷惑なんねぇから、ここに居ろよ」


 浩貴はそう言う。


 なんだか、その言葉に反抗出来ないようで。



 私はおとなしくその場にとどまった。