「ごゆっくりどうぞ」

「ありがとうございます。滝沢さん」


 ケータイをカバンにしまうと、ラテアートを眺めた。


 もったいなくて飲めないけど、飲まないともっともったいない。


「そうやって眺めてるの、変わらないね」

「え、はい・・・そうですか?」

「うん。そういうとこ可愛いよね」

「///・・・な、何言ってるんですか・・・」

「本当のこと」

「く、口説いてますか?」

「うん」

「こ、困ります・・・///」

 からかわれているのか、なんなのか。

 
 どう反応していいものか分からないし。


 テンパってしまう。


 
「じゃぁ、ごゆっくりどうぞー」


 手をひらひらと振ると、滝沢さんは厨房の方へ歩いて行った。

 ・・・やっぱりからかってたんだよ。


 全く・・・困るなぁ。

 
 からかってたのに・・・それに対して照れてしまったし。

 ドキっとしたし。


 ・・・遊ばれてるなぁ。



 ため息を一つついた。


「麻友」