《正直に》

「なぁ何で話してくんないの?」

「私あんたの事嫌いだし...つかめんどい。」

ひどい...

「何だよそれ!?」

「じゃ俺陽志んとこ行ってくるわ」

「わざわざご報告ありがとうございます。」

そう冷たく言い放した。

スタスタと歩く宏弥の背中はいろんなことを背負ってて

広いなと思った。

「俺奈留ちゃんが好きだわ。だから協力して!?」

「おう了解。当ったり前だろ!!」
 
こうして俺は陽志に自分の気持ちを正直に打ち明け、

協力してもらえるようになった。

「私は宏弥が多分好きだ。」

あの後陽志に何を話してたのか、すごく気になるし

行った後なぜか無性に寂しくなる。

やっぱ好きだ...でも何でだろう。私の名前を間違えた奴なのに

私の名前を間違えた奴だから?

分からない自分も...そしてあいつの全てが。

「お待たせー。」

そう言って戻ってきた。遅いよって言いたかったんだよ私は。

でも強がりなだけの私は言えなかった。

ドキドキする!?

この気持ちにウソはつけない。

でももう少し待ってから。

私が素直になって、あなたの事をたくさん知ってから

気持ちを伝えようと思った。