「ケイタ。これ先生が」

「おお。さんきゅ~」


また無愛想に話しちゃった。
ケイタの前だと、男っぽい強気な私でも弱々しくなっちゃう。

ケイタは6年の始めに、この第2小学校に転校してきた。
自己紹介が、


「笠原圭太です」


だけで終わったのが印象的だった。

それから、クールな感じが皆に人気で6-Bのリーダー的存在になっていった。

私はあの自己紹介の時から、ケイタの事が好きだったのかもしれない。