そう……


スイミングスクールに通っていたあの時。


私はいつも笑顔でキラキラしている渉くんの事が好きだった。


そして、いつも一緒にいて、スイミングスクールのクラスも同じで。


渉くんは私が出来ない事を優しく教えてくれていた。


私は、そんな渉くんが大好きだった。


だけど、私は親の都合で引っ越す事になり、スイミングスクールを辞めた。


渉くんと、もう会う事が出来ない。


だから、私は渉くんへの気持ちを思い出にした。


でも……


高校に入学し、渉くんにまた会った。


まさかまた会えるなんて思っていなかった。


渉くんと同じクラスになり、あの“あゆむくん”だと知って驚いたし、嬉しかった。


だけど、渉くんの周りにはいつも取り巻きがいた。


取り巻きの人達はみんな綺麗な人ばかり。


だから、私なんて相手にされないと思っていた。