緊張でいっぱいいっぱいの私は、涙目になりながら


「私も渉くんが好きなの。でも、自分に自信が無くて……。今言ってくれた事も信じられなくて……」


気持ちを伝えながら、私の顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。


そんな私を渉くんはそっと抱きしめてくれる。


「俺、胡桃の事、初めて会った時から好きだった。だから、同じ高校だって知った時、すげぇ嬉しかった。でも胡桃、俺の事、全く気付いてないんだもんなぁ……」


はははっ、と笑いながら、渉くんは続ける。


「だから、今年、一緒のクラスになれて嬉しかった。でも、同じくクラスになっても、胡桃、俺の事、気付いてないし。幼稚園の頃の事だし、一緒に居た期間も短かったから、俺の事なんて覚えていないのかも、って思っていた」


私は顔を上げて


「渉くんの事、気付かなくてごめんなさい。でも、渉くんの事、忘れた事なかったよ。だって……、私の初恋だから。私も初めて会った時から、渉くんの事好きだったの。でも、私がスイミングスクール辞めて会えなくなって、諦めたの」