そうだよ……

私なんて可愛くない。

そんなの言われなくても、わかってるよ。

だけど、この人に、何でここまで言われなきゃいけないんだろう。


そんな事を考えていたら、涙が出てくる。


そしたら、渉くんがさっきより強く抱きしめてくれた。


「俺が好きだからいいんだよ!とにかく、コイツに手を出すな!!」


渉くんは、さっきよりも強い口調で言う。


抱きしめられているから表情はわからないけど、渉くんの言葉で取り巻きの人達の空気が変わるのがわかった。


そして、取り巻きの人達は走り去って行った。