私が話すと、渉くんはぎゅっと抱きしめてくれる。


「胡桃?そういう事は、言ってくれていいんだよ?」


渉くんの優しい言い方に、私は涙が溢れてきた。


ワガママ言って、嫌われたら


って不安だったから。


「俺が勉強、勉強ってなってたから、ずっと我慢していたんだな。ごめんな」


渉くんの言葉に、私は首を振る。


渉くんは抱きしめながら、私の頭を撫でてくれる。


私が顔を上げると


「毎日は無理だけど、たまにはデートらしいデートするか」


渉くんは、そう笑顔で言ってくれた。