「……あのね?」


不安になりながら、私は話し出す。


「うん」


そんな私を、渉くんは優しい表情で見ている。


「勉強しなきゃいけないのはわかってる。わかってるんだけど……。たまには二人でゆっくりしたかったの。たまには……、遊びに行きたい。

今日だって……、渉くん帰ろうとしたけど。もっと……、もっと一緒に居たかったの」


私は小林さん達にいろんな事を言われている事は隠したまま


“一緒にいたかった”って事だけ、私の気持ちだけを話す。