私達はベンチに座り


「胡桃?最近……、いや、結構前から、ずっと何か我慢してない?」


渉くんが聞く。


私は


本音を言うか


強がるか


迷っていた。


渉くんが「話そう」と言って、ここに連れてきたってことは


本音を言わなきゃいけないだろう。


でも……、本音を言ったら嫌われないかな?


それがすごく不安だった。


修学旅行の後から、呼び出しは無くなったものの


私とすれ違う時


「いい気になるな」

「早く別れろ」

「お前なかんか、釣り合わない」


など言われていたから。


だから


“私と渉くんは釣り合わない”


その意識が強くなってきていた。