すると渉くんは止まって


「胡桃……、何か我慢してない?言いたい事があるなら、ちゃんと言って?」


私は渉くんの優しい言葉に、つい本音が出そうになる。


だけど


「別に我慢してないよ?」


そう。


私はまた、本音を隠して、できるだけ笑顔で言う。


「無理して笑うなよ……」


繋いでいない方の手で、私の頬を包む。


「無理、してないよ?」


どこまでも素直じゃない私。


「遅くなってもいいか?少し話そう」


そう言うと、渉くんは私の手を引っ張り、をいつもの公園に連れて行った。