渉くんは何か渡されていたけど、受け取らずに戻って来る。


渉くんの事を信じていないわけじゃないけど。


心の中でホッとする。


その事に気付いているのか、いないのか。


プレゼントを受け取って貰えなかった女の子本人だけじゃなく、付き添いの二人も私の事を睨んでいた。


よく見ると、それは小林さん達だった。


まぁ、睨まれるくらいは、いつもの事。


だから、慣れてきたといえば、慣れてきた。


とはいえ、やっぱり睨まれると怖い。


また呼び出されるんじゃないかって……


「胡桃、大丈夫だから。絶対、一人にならないようにね」


怖がる私に気付いて、繭花は私を安心させるように言う。


隣で若菜も頷く。