「なに?なに?二人何かあんの?」


繭花と若菜がニヤニヤと私達を見ている。


いや、でも、まさか……


「えっ、何もな……」

「小さい頃に通っていたスイミングスクールが一緒だったんだよ。って言っても、コイツは覚えていないみたいだけどな」


あの“あゆむくん”だと確信が持てない私は“何もない”そう否定しようとしたのと同時に、五十嵐くんが答える。


そして、五十嵐くんは笑いながら、私のおでこをツンッと弾く。


「えぇぇぇ!?」


私は五十嵐くんの行動と言葉にびっくりして、つい大きな声が出てしまった。


すると、みんなの視線が一斉に私達の方に集まる。


っていうか、女の子達からは、何か睨まれているし。