物事が少しでも複雑に入り組めば、たちまち大混乱に陥る。
 単細胞生物なのだ。

 バカみたいに真っ直ぐで、正直で、素直で、純粋で。
 そんな、どうしようもなく愛しい『ヘタレ』なのだ。



 悠斗は膝を折り、それを抱えた腕の中に頭も埋めた。
 完全に迷宮に迷い込んでしまった。


 事は至って単純なのに。
 答えはもう既に浮き彫りにされいるのに。


 『後悔』に絶望してはいけない。
 『後悔』は再び同じ過ちを犯さない為にするものだ。



「なぁ……別に甘えたり、依存したりしてもいいんじゃねぇか?」

 俺が口を開けば、

「大切に思う気持ちを忘れなければ」

 照もそれに便乗する。