「ほのかは――
 俺の全部をいつだって、無条件で受け入れるから、だから、つい甘えて……」

 そこで悠斗は言葉を詰まらせる。

「『甘えて』、何だよ?」

 先を促せば、言い辛そうにボソボソ小声で、苦しげに続きを吐き出した。


「甘えて……
 気分が落ちてる時やムシャクシャしてる時、気晴らしに抱いた」

 言った悠斗は、眉も口も『へ』の字で、まるで子どもが泣き出しそうな時みたいな、情けない顔をしている。


「『酷いこと』ってそれ?
 別に無理矢理犯した訳じゃねんだし、お互い好き同士なんだし。
 特に問題ねぇだろ?」

 悠斗の答えは想像通りだったが、シレっとそんな風に返した。

 自覚することに意義がある。
 取り敢えず、お子ちゃま悠斗は一つミッションをクリアした。
 上出来だ。