すぐ横にしゃがみ込んで、悠斗の顔を覗き込んだ。

 どれだけ情けない顔をしているか、見てやろうと思った。
 そして笑ってやろう、とも。


 悠斗は叱られた子どものようなふて腐れた顔で、俺をチラと一瞬だけ見るも、すぐに視線を逸らした。

 幼稚なお子ちゃまっぷりに溜息しか出ない。



「『酷いこと』って何?」

 まぁだいたい想像はつくけど、敢えて悠斗の口から言わせてやる。

 思っているだけでは見えて来ない大切な『何か』がそこにある気がした。
 それを悠斗自身が見付け出さないと。


 あくまで俺は、その手助けをするだけだ。
 それ以上のことをしてしまっては、何も解決しない。