あの日、秋山さんに会いにうちの学校まで来た冬以は、『謝りたい』と言っていた。
 その後、冬以が悠斗に会いに来たことも俺は知っている。

 あくまで想像だけど、『悠斗のせいじゃない』とその時言われたはずだ。
 誤解はもう解けている。

 例えそうでなくても、彼女の死から何だかんだと二か月以上経っている。
 傷はそこそこ癒えているはずだ。


 人間の心は脆いが、回復力も意外に強い。
 時が解決できない痛みなんて、そうそう無いはずだ。



「だったら何だよ?
 俺がほのかに対して散々やらかした酷いことは消えねぇよ。
 もう遅ぇよ、今更」

 またいじけて女々しい言葉を吐く。
 マジで苛々する。