「俺行きますね。
ではまた、斎藤さん」


「…あぁ」




軽く苦笑いでアタシを見送った斎藤さんは、アタシがこれからやることを分かっているようだった。














障子をスパァン!と開けて




「てめぇこそうっせぇわこの黒デカー!!」




……って飛び蹴りしながら出来たらどんなにいいか。



脳内シミュレーションは完璧だったのに。



出来ない理由は2つ。



1つは土方の部屋に移動してる間に誰かと小難しい話を始めてしまったから。



でもまぁこれは後で聞き耳を立てるとして。



もう1つの理由は…





「よぉ愁元気かおぃー!」


「左之、左之。
腹しまってから、な?
昨日の宴会のままだ」


「おっとぉーやっちまったぜぇ!!
ガハハハハハ!!」




今日もうるさい程元気に漫才ってる奴等に捕まったから、だ。