「例え夢だとしても、俺がいたという証を。
俺達が確かに在たんだという証を残す。

つか夢なんかで終らせねぇよ。
この手で掴み取ってみせる」




力強い声でそう言った。



存在という証を残す、か。


なんとも土方らしい答えだ。


でも、




「いいな、それ」




アタシもそうなりたい。


時代に影響しないようにだけど、残したい。



ポン、大きく骨ばった手が頭にのった。




「何」


「お前もそんな顔すんだと思ってな」


「いけない?」


「いんじゃねぇの、少なくともさっきみたいなシケた面よりは」




撫で続けているその大きい手に、お前はちゃんと此処に居ると言われたような気がした。




「土方、キモチワルイ」


「…沈めんぞ」


「どこにだよ」




再び悪態をつきながらも、そこには穏やかな空気が流れていた。




「井戸に。」


「それシャレになんない」




…多分。