「えっと、市村です。
これからよろしくお願いします」
「…斎藤だ。
そんな固く…なんなくていい」
頬を少し染めていうところを見ると、多分恥ずかしがりやなのだろう。
でも性格はきっとまんまだな。
「あ、りがとうございます」
「斎藤さんは三番隊組長ですよ〜。
愁くんも勝てるかわかりませんよ〜?」
ニヒヒ、意地悪に笑う沖田さん。
この野郎、まだ本気出さなかったこと根に持ってるのか。
「……今度手合わせ願おう」
「えぇ、また今度」
ボソッと喋るが人の目を真っ直ぐに見て話す斎藤さん。
緩く1つに束ねた髪を翻して、また何処かに向かって行った。
…蕎麦でも食いにいくのかな。
確か蕎麦好きだったよね、斎藤さんといえば。
アタシは自分で言うのもなんだが、頭は良い。
歴史、もちろん新撰組のことも頭にばっちし入っている。
だから―――――