沈黙が続いた。

あたしも先生も1分くらい話さず正直、気まずかった。
その沈黙を破ったのは先生。

「よし。今日の補修はおしまいな!
 安達、気を付けて帰れよな」

「はい……ありがとうございました」


先生とあたしは数学室で別れた。
先生は戸締りをしていたけど、あたしの方を見なかった。

あたしも先生を見なかった。


いや、見れなかった。







自転車で家へと帰る。
学校から家は自転車で1時間くらいかかる。

この時間が好きだ。


何も考えなくていいし何せ景色が綺麗でうっとりする。

でもこの日に限って綺麗な夕日や木々はあたしに目に映らない。
アウトオブ眼中の意味が分かった気がしたw


先生ははったりで言ったのかな……
でもはったりにしては知りすぎてない?

あんまり過去を言われるのはいい気がしないな。
多分あたしの過去がめちゃくちゃだからかw


何度先生の事を思い出しても記憶にない。




あたしは考えるのが面倒になって夕日に向かって叫びながら帰った。




「明日も頑張っていこーーーー!!
 今日の事は気にせずいくぞ☆」


近くにいたおじいさんはあたしの声に驚き、仰天顔だったw