あたしの名前は安達 希望(あだち のぞみ)。
今年から高校生になったピカピカの1年生。

友達は誰もいない。
わざと誰も行かないような家から遠い学校を選んだんだ。

友達は面倒くさい。
人間は信用できない。


小学のころいじめられてる子がいて、見てられなくなっていじめてる子を怒ったの。
そっから「いじめ」のターゲットはあたしになるよね……

別に良かったんだけど、いじめられて子もあたしに嫌がらせしてきた。


そっから「人間って本当に信用ならないや」って思うようになっちゃって。

友達はいたけど、心を閉ざすようになっちゃって。

心から笑うことも怒ることも忘れちゃって感情が表に出なくなったんだ。
だけどその代わりに「作り笑い」は上手になった。


学校であたしがわらうのは全て「作り笑い」
もう慣れちゃったからなかなか直せない。




あたしは学校中いつでも空を見ながらいろいろ思っている。


今日の天気は晴れてるなあ……

あの木に鳥の巣があるんだ……

今日も体育外でしてるんだな…


毎日いろんなこと考えてはフフっと笑ってみたりする。


そんなある日、同じように空を眺めてた時のこと。

バチン!って何かで叩かれた。

「痛っ!」そう言いながら手で頭を押さえた。
誰やねん。あたし叩くとか意味不明。

「お前、いつも空ばかり眺めてるよなあ?
 俺の授業はどーでもええってことか?」

そう言ってくるのは数学科の山口先生。
熱血教師っぽくてあたしは苦手って感じ。



「空は好きなんです。自由きままで。」


「そうか、じゃあ後で数学室にこい。」


「そうですねー。……って何で??」


あたしの言う事なんか無視で教卓の方へそそくさと帰って行った。
なんなの?あたし呼び出しされたの??

呼び出しなんか初めてでその後の授業は空なんか見る余裕なく…
ずっと下を向いて焦っていた。