「何が欲しい?」

おもむろに手を戻し、口を開く。


もしも彼の答えるものが
俺にどうにか出来るものならいいのに。

そうだったなら、
なんだってあげたい。


そんな思いを込めて聞いてみた。



「……居場所、とか」

すぐ後に、別にここでもいいんですけど。と、そう付け足される。