相槌程度にしか返事をしなくても、彼はひたすらに話し続けた。
そりゃもう、喋っていないと死ぬのかって位に。
先輩たちが来てくれた時も、何度か乱入しようとしてたし。
……今までずっと静かな場所に居たから、こういうのは慣れない。
いい加減にしてくれと思ったある日、彼は再度尋ねてきた。
「空、好きなの?」
「雲がいい」
そう答えると、何で?と聞かれた。
「白いから」
雲はいい。
白いし、それにいつか消える。空に溶けてゆける。
「ああ、白好きなんだ?」
だからカーテン閉めてたの、と彼は勝手に納得していた。