顔を上げてみれば、片平が彼の腕を掴んでいて、その手が俺に触っている。

「空には届かないけど、先輩になら届くんじゃない」


それはいつかに彼が言った言葉と同じなのか。
でもそれが、答えになるのか。


窓の外はあの頃に見たような青空で。
少しの雲に、けれど太陽全ては遮られない。

そんな空のような顔をした片平は言う。


「もう、3人じゃなくていいんです」

2人と1人でいいんです、と。



「僕は2人が好きだから」