佐助さんに、罪が被るようなことはない。

佐助さんは、無実なのだから。

この犯人は、僕なのだから。

お願い、佐助さん、笑ってよ。


佐助さんは、恐れられている。

江戸の人、みんなに。

僕が、護らなくちゃいけない。

この人は、一人だ。

一人のつらさは、僕が一番知っている。

僕はあなたさえいればいい。

あなたしかいらない。

あなた以外の人を、求めたりしない。


そう決めた。

決めたはずだった。

でも、僕は・・・・・・・・・・・・・・・。

君と出会ったために、すべてが狂った。

「どうしたの?」

いつもの路地。

一人膝を抱えて座っていたからか、話しかけられた。

この服装から見て、どこかのお嬢様だろう。

「君の名前は?」

君は笑う。