僕は見張りを切り倒し、牢屋に入った。



 そこには、ぐったりとしている人と正座をしている人が。



 よく見ると、以蔵・・・?



 「以蔵!?」



 どうしてこんな・・・・?



 血まみれで。



 傷だらけで。



 髪もぼさぼさで。



 「静かにしておいてやれ」



 隣にいる、正座の人。



 「あなたは、武市・・・半平太さん」



 以蔵は何でこんな風になってしまったの?



 「あなたが、以蔵の、護りたいと思う人なんですね」



 穏やかに話しかける。



 「・・・どうやって入った」



 「それは、企業秘密です」



 にっこりといったが、武市の表情は変わらない。


 「・・・工藤、以蔵を許してくれ。あいつは、無実だ」



 「・・・大切な人を護りたい、僕と同じ人間です、以蔵は」



 僕は、無実じゃないけどね。



 「工藤・・・お前も、捕まるのか」