「麗姫ちゃん、大野佐助って知ってる?」

大野佐助・・・。

僕の命の恩人、佐助さんのことだ。

この人は味方か、敵か・・・??

もしも、佐助さんを否定する人がいれば、僕はそいつを殺める。

佐助さんを悲しませる輩がいれば、僕は・・・

「大野佐助・・・素晴らしい奴だ。剣の速さが尋常じゃない。あいつは神だよ・・・ね。
工藤麗姫君」

こいつはなぜ、


ボクノショウタイヲシッテイル・・・・・・・。


僕は女としているのに。

どうして、この人は僕が男だと知っているんだ。

「なぜ・・・僕が男だと分かったんです?」

柔らかな笑みを浮かべて僕は尋ねる。

剣については佐助さんに教わっているから、一流だ。

「君は、あの捨てられていたガキだろう」

10年前の僕を知っているのか・・・?

「知っているも何も」

一度間を置く。

「君の両親を殺したのは、ほかの誰でもない。

この、俺だ」