どれだけ歩いただろう、走っただろう。

いろいろな関所を破った気がする。

哉の権力を、たくさん利用した気がする。

意識は朦朧とし、今自分がどこにいるのすらわからない。

土佐まで、あとどれくらいだろうか。

でも、なんで土佐なのだろうか。

僕は、どうすればいい?

土佐に、佐助さんの敵ばかりだったら。


「母上、母上?」

「・・・逃げなさい、早く。あなたは生きるのよ・・・」

これは・・・・・・・・・落城の時の、夢?

「生きるって、母上たちいなきゃ生きれないよ。ねえ、なんで」

「・・・を。・・・を、城の外へ連れ出せっ!!!」

母上、なんで?

僕を捨てるの?

僕を、一人にするの?

どうして?

なんで、お城の外に出なきゃいけないの!!

「ははうえ~~~~~~~~!」

僕は、叫んだ。

小さい僕は、叫んでいた。

ただ、ひたすらに。

ただ、ひたすらに。