「彩~!ただいまー」



彩が全て片付け終わった時、奏と美咲が帰ってきた。



彩の様子に何かあったと感じた二人だったが、彩に客が来ている事を思い出し廊下を指さす。



「彩にお客様…佑先輩がきてるよ?」



彩と佑介が付き合いだし、もうすぐ3ヶ月になる。学校に来ていない間はメールが毎日着ていた。


「マジで?行ってくる」


喜んで出て行く彩を奏たちは微笑ましい思いで見送った。




廊下に行けば、傘立てに座る佑介がいた。



「佑先輩!」


飛びつく彩を佑が受け止める。久しぶりの佑介からは、いつもの香水の香りがした。



「あーちゃん。久しぶりだな!よく生きてた!」


頭を撫でてくれる佑介に、彩の頬も緩む。彩をあーちゃんと呼ぶ佑介の呼び方も彩は大好きだった。