「お前さぁ…キモイよ。ちゃんと食ってる?」



あまりみない竜也の真剣な瞳に、彩は居心地の悪さを感じ、目が合わせられない。



「………」



下を向き何も言わない彩の顔を、無理やりに竜也はあげさせる。



「こっち見ろよ。お前ちゃんと食ってるの?」



それでも何も言わない彩。



竜也の目が彩を逃さないと言わんばかりに睨んでくる。



「はぁ……」



あからさまな溜め息に、その場から逃げ出したくなる。



「おにぎり一個で良いから食えよ」


差し出されたのは小さな小さなおにぎり。けれど今の彩にはそれでも重かった。


無言で首を振るが、竜也は許してくれない。



「食えよ!」



強引に口に突っ込んでこようとする。