「そんな事だと思ったよ・・・」


奏の後ろからは、まだカラオケ中なのか・・。某アイドルの歌が大音量で聞こえている。


「ライブ行ける?」


その瞬間・・・竜也を思い出す。


「・・・・・どうしよう・・・・」


何もかも忘れて騒げるライブには行きたいが・・・・今の竜也と顔を合わせるのは辛い。


迷っていると・・・佑介が声をかける。



「何かあった?」



その声が奏にも聞こえたのだろう。



「・・・・ごめん。先輩といた?」


また明日で良いよと言って切ろうとする奏に、少し待ってと言うと・・・佑介に尋ねる。



「先輩・・・来週の水曜日って暇ですか?」



上目使いで佑介を見れば、それはズルいと佑介は彩を抱きしめる。



「水曜は・・・多分暇だけど・・・?」


その返事を聞き・・・彩は奏の電話に戻る。