H校は俺らの通っているM高校のすぐ近くにあって

HとMは完全なライバル校。

1年くらい前に先代から学校の頭を命じられたのが俺らの一個上の先輩にあたる

「澤田」っていう怪力男だった。

怪力男と呼ばれるくらいだから、ケンカは弱くはねぇ。

もちろん、女に負けるような奴じゃねぇ。

「そんでよ、その女がうちの学校に転校して来るらしいぜ」

「はぁ?まじかよ」

俺の素っ頓狂な声にハヤトはうなずいた。

さっきからハヤトの言っていたことの意味。

妙に興奮気味なハヤトの意味がやっと分かった。

「ってことはよ、その女は俺をつぶしに来るのか?」

ハヤトに聞くと多分なってこ答えた。

まじかよ。

M校はここらじゃ一番強ぇヤンキー校だ。

そこの頭が女に負けるだなんて、外もあるけねぇ。

「しかも、その女、可愛いらしいから」

ハヤトは微妙に笑った。

可愛い女。

強ぇえ女。

想像がつかねぇ。

「俺、負けっかな」

俺の問いかけにハヤトは笑った。

「リュウに勝ったら、そいつは人間じゃねぇよ。」

そう笑ってくれるハヤトがなんだか落ち着いた。